2006年07月11日

『希望について』

立岩真也さんの『希望について』を読む。待望の立岩さんの新刊です。

方々に書いた文章を一つに集めたもの、ということで、同じ主張が何度も繰り返されている、という点は確かにあるし、立岩さん自身自覚的にそのようにこの本を編んでいます。だから、立岩さんの本をよく読んでいる人には既視感のある文章ばかりだと思います。

それでもなおこの本をみんなが読むべきだと僕が思うのは、この本には『社会学評論』に掲載されたあの「社会的」という論文が所収されているからです。この論文(というかそれの載った『社会学評論』の特集号)はかなり密度が濃くかつおもしろいもので、あの号に載った文章が一般に読めるということはそれ自体ラッキーなことです。とにかく読むべし、読むべし。
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『(みえない)欲望に向けて』

村山敏勝さんの『(みえない)欲望に向けて:クィア批評との対話』を読む。おまえはまだ読んでいなかったのか、という突っ込みはなし(汗)。

クィア批評に関してはおそらく日本でもっとも力のある方による単著。読んでてぐいぐいひきこまれました。もちろん僕が門外漢だから新鮮に見えた、というのもあるのだけれど、それ以上に心の繊細な揺れ動きを実にうまく押さえて、「読むことの快楽」を引き出してくれることに感銘を受けました。

と同時に、クィア批評でこういうことができてしまうと、社会学でわざわざゲイとかクィアとかをやることに対して、きちんとしたスタンスを持っておかないといけないな、と思うのも事実。社会学者は「異性愛制度」とか簡単に言ってしまって、擬似システム論的な話をしてしまうので(これはほとんど僕のことです)、本当に取り組みたい心の微細な動きをどうにも取り逃がしてしまうところがあるのです。社会学はそれを対象にしないから、と開き直るのも結構なのだけれど、僕はもう少しくいさがって、不遜ながら村山さんが丁寧にやったことに匹敵するものを社会学の側でやれたらな、と思ったのでした。

全く関係ないが、セジウィックを読んだ第一章は、ゲイ・スタディーズの専門家なら絶対に読むべきだと思う。クィア批評がどの方向にどこまでいけて、こまでしかいけないかを端的に読み解いてみせる、わかりやすい章です。
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『悠悠おもちゃライフ』

森博嗣さんの『悠悠おもちゃライフ』をよむ。前編カラー、写真掲載多数の趣味エッセイ。

森さんの本はいつも装丁に凝っていて、それが素敵です。写真のレイアウトも職人芸。例えば読み手はそういうところを楽しめばよいのであって、庭園鉄道に興味がなくても十分楽しめます。

読んでふと思ったのが、そうか、趣味なんて同時進行で10も20もやってもいいのだな、ということ。毎日継続するのが苦手な方なので、大量に同時に、ちょっとずつやるやり方に大変憧れます。実行しようっと。
posted by △ at 11:24| Comment(0) | TrackBack(0) | もじにいりびたる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする