主人公の柊子は、祖母がなくなったのを機に会社をやめ、亡き祖母の家でタイムトラベルに関する本だけを貸す貸本屋「タイム屋文庫」を始めます。この貸本屋と柊子にかかわるさまざまな人間模様を、柊子の恋愛なども絡めつつやわらかくあたたかく書いたのがこの本です。
会社をやめて貸本屋とか、商売としてやっていけるのかもわからないし、柊子の生き方は結構軽卒。っていうか「ふわふわ」してるんですよね。こういう地に足のついてない、女性が主人公の小説っていっぱいあるんです(そしてその多くが駄作)。こういう「ふわふわ」しがちな題材をちゃんとした小説にするには、背後の設定とか、他のキャラクタの造型とかをちゃんと計算しなきゃいけないわけです。で、朝倉さんはその計算が絶妙。「ふわふわ」感を殺さないようにうまいこと地面につなぎ止めるその手腕は、多分天性のものだと思います。
心のひだひだにしっとりと寄り添う、素敵な作品です。ぜひとも読んでほしい。オススメ。
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レストラン・ヒワタリのオーナーシェフ樋渡徹を始め、
周囲の人々との関わりが温かでよかったですね。
ちょっとお先に「夫婦一年生」読んじゃいました。
僕も『夫婦一年生』、早く読みたいです!