勅使河原冴の章、栗原円の章の二つからなります。冴の父が死んで以来、冴に対する悪意に満ちた行為をする人間がかならず報復されます。これがガーディアンの仕業。で、このガーディアンに守られた冴が会社のプロジェクトチームで巻き込まれた謎をめぐる物語が冴の章。円の章は冴の娘、円(祖父=冴の父がガーディアンとなって「憑いて」いる)が郵便局強盗の人質になり、その場で頭脳戦をくりひろげるのを描いたものです。
まず、全体的に短すぎる。特に冴の章、会社の描写がリアリスティックなのにもかかわらず登場人物がものすごくあっさりガーディアンの存在を信じるあたりが不自然。もっと信じるまでのディテールを書けばいいのに。読み手(=僕)より先に納得されちゃうと、なんともはや(苦笑)。
全体的には、円の章の前半、強盗に対する円の冷静な判断が功を奏するところは面白い。石持さんの作品の人間はいつも人間らしくないんですが、ガーディアンの設定があるからそれが逆にはまっている感じ。終わり方は…「頭のいい女に男が惚れながら死んでいく」っていうラストでいいのかなあ。いや、陳腐とかじゃなくて、それまでずっとミステリだったのにハードボイルドみたく終わることに慣れないというか。
この設定でなら、ちゃんと短篇を5本くらいまとめて、ノベルスも二段組にして本にしてもよかったと思う。文句言いすぎかなあ。もっとたくさん読みたいゆえの要望ということで、ご容赦を。
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