2009年06月14日

『バイアグラ時代』

メイカ・ルーさん著、青柳伸子さん訳の『バイアグラ時代 “魔法のひと粒”が引き起こした功罪』を読む。社会学者がフィールドワークにもとづいて平明に書いたバイアグラ本。面白いです。

たまには「本を読める人」ぶってみるということで、全体のストーリーをまとめてみます。第一章は問題設定とバイアグラの流通に関する最低限の知識のまとめ。第二章では男性のインポテンツがEDとして病理化されるプロセスを描き、第三章ではバイアグラを飲んで喜ぶ男性の声が記述されます。一方女性にとってはこれら全てのプロセスがうざったいのは当然です。第四章ではパートナーが精力絶倫になって困っている女性の声が拾われますが、第五章では困ったことに、別にセックスしたくもないそれらの女性を病理化しようとする圧力が描かれます。で、最後に第六章で本当にセックスがそんなに大事なのか、パートナーとしっかり話し合うべきだと結論づけられるのです。

この本の肝は第四章と第五章でしょう。あんたのペニスが勃ってもあたしゃ嬉しくもなんともないよ、という女性の声は、もっとまじめに聴き取られるべきなのです、やっぱり。やや単純化したストーリー要約でしたが、大事なところは伝えられたと思う。

翻訳がルポルタージュっぽいのは訳者の好みなのか原文の特徴なのかは不明で、僕としてはもっとアカデミックなスタイルでもよかったかなあとも思ったのですが、この本は多くの人が読んで目を覚ます助けとなるべき本なので、それはそれでいいのかも。ほんと、絶倫神話とか完全解体すべきです。ということでオススメ。
posted by △ at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | かんがえをかんがえる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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