2009年10月19日

『探偵小説のためのインヴェンション「金剋木」』

古野まほろさんの『探偵小説のためのインヴェンション「金剋木」』を読む。探偵小説シリーズの第4作です。しかしこのシリーズ名、ど真ん中直球ですね(笑)。

かるた名人あかねらが迷い込んだ廃校に住んでいたのは吸血鬼の「一族」。殺人外(=吸血鬼)事件の発生により、彼女たちは閉じ込められ、あかねは吸血鬼に噛まれてしまいます。あと2回噛まれたらあかねはもう人間に戻れない…主が指定したリミットまでに陰陽師のコモは真相を暴き出す事ができるのか?

こう書くと奇想天外なライトミステリっぽいんですが、ところがどっこい、これがまごうことなき本格ミステリなのです(今更力説するまでもないですけど)。軽妙な文体の中に大量にばらまかれた伏線が一つ残らず回収され尽くして論理的で美しい解答に収斂して行く解決編は圧巻です。「この記述、必要かなあ?」と思うところは全て伏線だって、わかってはいるんですけど毎回驚かされてしまう。最終的な事件の構図がちゃんと「金剋木」になっているところもすごい。この縛りの中で本格できちゃうんだから、古野さんはただものではない。

ということで大変オススメなのですが、一つ気になった事が。ネットで調べたんですが、古野作品、一冊も文庫化されてないんですね。信じられない。こんな面白い作品群が文庫で読めないなんて…。一刻も早い文庫化を希望します。
posted by △ at 10:04| Comment(0) | TrackBack(0) | もじにいりびたる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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