2007年12月26日

『大森荘蔵―哲学の見本』

野矢茂樹さんの『大森荘蔵―哲学の見本』 を読む。久しぶりの「かんがえをかんがえる」カテゴリエントリにふさわしい、すごい本でした。

稀代の哲学者、野矢茂樹さんが「師匠」であるところの大森荘蔵の哲学を解説し、論評するというスタイルについて聞くだけで興味がわき上がるのですが、読んでみてさらに興奮しました。

どういうことかと言いますと。一人の哲学者が、その思索の深化にしたがって思想内容を変化させていくことはよくあることです。そして、それらの変化を〜期といった用語によって分類、整理する研究も少なくありません。ただし、当の哲学者がなぜそのように思想を変化させていったのか、という必然性のレベルにまできちんと掘り下げられた議論というのはなかなかにない。しかし、野矢さんのこの著作は、そのような掘り下げが十分になされています。つまり、大森氏がどのように考えたかだけでなく、なぜ大森氏がそのように考えねばならなかったのかがきちんと論考されている。それ自体が優れたことであるだけでなく、なぜそのように考えねばならなかったか、を問うことは内容理解のガイダンスにもなるわけなので、本自体がとても読みやすくなっている。さすが野矢さん、何を書いてもすごいですね。

posted by △ at 08:36| Comment(0) | TrackBack(0) | かんがえをかんがえる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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