2008年05月07日

『乱暴と待機』

本谷有希子さんの『乱暴と待機』を読む。やっぱり本谷さんは長編の方が面白い。

少女に対する最高の復讐を思いつくまで少女が自主的に自らを監禁させるよう仕向ける男と、彼に復讐されることを待つその少女。2人の関係の中に男の同僚とその彼女(かつて少女をいじめていた)がかかわることによって、あやういまま保たれていたバランスが崩れ出す…。

一人称多視点というのか、視点人物を30回切り替えながら話は進みます。演劇を小説化したものだそうですが、一人称小説によくできるなあ、と思いました。三人称を使って神の視点で書いた方が楽だもんねえ。文学IQが高いです。

ただ、この一人称がうまくいっているのかは人によって意見が違うと思う。僕は若干あざとい感じをもった。ストーリー自体が面白いので、気にならないと言えば気にならないんだけど、芥川賞候補にもなったくらい文章のうまい人なので、このくらい言っても大丈夫でしょう。いや、そこら辺の小説よりははるかに面白いんで。

posted by △ at 21:55| Comment(2) | TrackBack(1) | もじにいりびたる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
視点人物の切り替え、30回もあったんですね!驚きました。
この書き方で、すごく引き込まれて面白かったです。

トラックバックさせていただきました。
Posted by 藍色 at 2008年05月14日 16:23
演劇を翻案するために、あえて視点人物をどんどん切り替えるという技を使ったんでしょうね(演劇には視点人物はありえないので…)。そういう意味で、小説IQはかなり高い人だな、と思いました。

トラックバック、張らせていただきました!
Posted by at 2008年05月18日 09:25
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乱暴と待機 本谷有希子
Excerpt: 装画は鶴巻和哉。装丁は川名潤。兄・英則と妹・奈々瀬は六畳一間の借家で四年近く同居。実の兄妹でないふたりの繋がりは「復讐」。軟禁し考...
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