2009年03月08日

『あなたも弾ける!ピアノ曲ガイド』

青島宏志さんの『あなたも弾ける!ピアノ曲ガイド』を読む。

難易度の低いピアノ曲ばかりを集めて、青島さんがアナリーゼした楽曲ガイド。譜例盛りだくさんです。ただ、いかんせん曲数が多いので、曲のほんの一部の譜面しか載っていません。だから、面白い曲を知りたい人用の本ではなく、掲載曲を知っている人が読んで楽しむための本と言えるかもしれません。もっと具体的に言えば、生徒の発表会で少しでも音楽的な曲を演奏させてあげたいピアノの先生向けの本。

コラムなんかは面白いので、頭から順に読もうとせず、気になったところだけぱらぱらと読むのがよいかもしれません。そういう本。

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2009年02月19日

『未聴の宇宙、作曲の冒険』

湯浅譲二さん、西村朗さんの『未聴の宇宙、作曲の冒険』を読む。

現代音楽の作曲家二人による対談集。西村さんが湯浅さんの音楽作法を聞き出していく、という趣きが強いです。西村さんが湯浅さんの発言をなんでも自分の得意な話題に引きつけようとして、湯浅さんが「いや違うから」と突っ込むというシークエンスが延々続く(苦笑)。

対談を文字に起こしたときにきちんと主語述語がわかるように書き直したりしていないので、ちょっと読みにくいとは思うのですが、まあ現代音楽ウォッチャーなら読んでいて損はない本かも。

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2009年01月02日

ワンダフルコンツェルト2008

ワンダフルコンツェルト2008を聴きに行きました。去年のコンサートですが、遅れてエントリ。

2008.12.26 18:00open 18:30start
@横浜みなとみらい大ホール

指揮:平井哲三郎  伴奏:東京サンフォニエッタ

赤井純子(指揮)
チャイコフスキー:シンフォニー5番

中嶋祐子・温子(ピアノ)
モーツァルト:2台のピアノのためのコンツェルト

端山圭子・岩崎幸一(ピアノ)
プーランク:2台のピアノのためのコンツェルト

日吉 武(ピアノ)
ラフマニノフ:ピアノコンツェルト2番

よく考えたらこのプログラミングは聴き手に相当な負担を強いていると思うんですが(苦笑)、どの演奏者も結構高いレベルで、聞き飽きることはありませんでした。

一番良かったのはプーランクの第一ピアノをやった端山さん。オケをぐいぐい引っ張っていく軽快なピアノは小気味よかったなあ。テクニックとセンスが本当に申し分なかった。ちょっと嫉妬を覚える演奏でした。

このイベント、これで最終回だそうです。今後は二台ピアノをフィーチャーした合同コンサートみたいになってもいいかも(二台ピアノの演奏会って大変なので)。
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2008年12月27日

『クラシックの魔法――スピリチュアル名曲論』

西村朗さんの『クラシックの魔法――スピリチュアル名曲論』を読む。

副題に驚かれた人もいるでしょうし、確かに西村さんはスピリチュアルなことをよく言って曲もそういう感じ(苦笑)の作曲家ではあるんですが、どうも西村さん半分はネタでスピリチュアルとか言っている節もある。だから、あまり副題にとらわれずに素直に一風変わったクラシック名曲案内だと思って読んでもらえると思います。

個人的には、この本の刊行を記念して行われた講義(iTunesとかでも聞ける)がツボ。本気なんだけどどこかふざけてるこの感じ、好きだなあ。

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2008年11月18日

『三善晃の音楽』

『三善晃の音楽』を購入。2003年から2004年にかけて沼尻竜典さんの指揮、東京フィルの演奏で3回にわたって行われた三善さんのオケ作品連続演奏会をCD化したものです。といこうことで3枚組。実は僕は第2夜と第3夜には実際に行っていて、特に第2夜には激しく感銘を受けたので、絶対はずれはないはずだ、ということでCDも購入しました。

Disc1は「管弦楽曲と協奏曲」。
焦燥感のようでもある高揚を見せる「祝典序曲」、ヴァイオリンがこの上なく悲痛で官能的な動きを縦横無尽に見せる「ヴァイオリン協奏曲」、錯綜し失踪するピアノがオケと強い緊張関係を持ちながら進む「ピアノ協奏曲」、10分ほどの短い曲でありながら、おそろしく濃密でテンションの高いオケに対しチェロがすくっと立って音楽を導く「チェロ協奏曲第2番 谺つり星」と、どれも音楽の中に強い葛藤が埋め込まれた、熱いCDです。

Disc2は「響きの世界」。
弦の層の細やかなきらめきがただひたすら美しい「夏の散乱」、打楽器の連打と管弦の細かいパッセージがあぶくのように全編を覆い尽くす「レオス」、乱立する太い幹のような咆哮が音楽を前へ前へと向かわせる「魁響の譜」、そして童声合唱を非常に効果的に使った、悲痛さの支配する名曲「響紋」と、三善さんの持つ響きのテクスチュアの多様さを楽しめるCDです。

Disc3は「言葉の世界」。
「ねんねんころりねころりよ」という子守唄のフレーズがはっきりと聴き取れる、芳醇なオーケストレーションが魅力的な「焉歌・波摘み」、天羽明恵さんのソプラノが大変すばらしい、一瞬一瞬がスパークしながら連続していくような名曲「決闘」、細部までしっかり聴き取れるように沼尻さんが相当苦労なさっただろう、輪郭のはっきりした演奏だった名曲「レクイエム」と、言葉と音楽の非常に高次なところでの拮抗が聴き手に迫ってくるCDです。

全体的に録音がとても素晴らしく、Disc3に関しては当日会場で聴いたときよりも感銘を受けました。このボリュームで4500円とは…買いです、絶対。オススメ。

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2008年11月11日

『アトム・ハーツ・クラブ』

『アトム・ハーツ・クラブ』を購入。作曲家の吉松隆さんとピアニストの河村泰子さんがタッグを組んでつくった、最高にポップでジャジーなCDです。

吉松さんの代表作「アトム・ハーツ・クラブ」の1番と2番も、ピアノが入る編成に書き直されるとぐっとアグレッシプになりますね。テンポなどの解釈もこれまでのどの編成でのどの録音とも違って、にやりとしてしまいました。こういうチャレンジ精神、大好きだなあ。

ピアノソロの「レグルス回路」と「ピアノ・フォリオ」でも、激しすぎずにうねるような情感を音楽にこめる河村さんの独創性が聴き取れて、素敵でした。吉松さんの初期の名曲、デジタルバード組曲」の新録音もあります。ナイス選曲。

そしてなんといっても一番のオススメは、1987年に作曲されていたにもかかわらず今まで録音がなされていなかったピアノ四重奏曲「アルリシャ」。通俗的になる前の(いや、通増的な吉松さんも僕は大好きですが)曲ゆえ、語法もほんのり「現代音楽」っぽく、聞かせどころが全編にわたって様々な形で現れるので、聴いていて飽きません。

ということで、これまたはずれ曲なしの素敵なアルバム。オススメです。

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『木下牧子歌曲作品集 C.ロセッティの4つの歌』

『木下牧子歌曲作品集 C.ロセッティの4つの歌』を購入。木下さんの最新CDです。

非常に親しみやすいメロディを持った表題作は神野靖子さんの演奏。続く「父の唄」では、彦坂さんの素晴らしいサックスと、松井さんの柔らかくてしかもとにかく美しい日本語が絡みます。バリトン、サックス、ピアノという結構音的に調和しにくそうな編成なのにこんなに美しい音楽になっているのは、木下さんの巧みさと演奏者の巧みさの両方がくみ合わさって曲が成り立っているからなんだろうなあ。「晩夏」は野崎由美さんの演奏。このソプラノの声、僕は大好き。適度な太さを持った軽やかさとつやっぽさ。演奏者を野崎さんにしたのは慧眼だった、と僭越ながら述べさせていただきます。

ということで、はずれ曲なしの素晴らしいCD。オススメです。

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2008年10月19日

三善晃作品展 U合唱作品

三善晃作品展 U合唱作品 を聴いてきました。

2008年10月19日(土)
open15:30 start16:00
東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル

プログラム
*指揮 栗山文昭, *ピアノ 浅井道子/斎木ユリ/寺嶋陸也, *和太鼓 高橋明邦
*協力 樹の会/耕友会/合唱団お江戸コラリアーず

混声・童声合唱とピアノのための 島根のわらべ歌 (2003)
*宇都宮大学混声合唱団/千葉大学合唱団/むさし野ジュニア合唱団“風”

二群の男声合唱とピアノのための 路標のうた (1986) 詩:木島始
*宇都宮おとこコーラス粋狂座/Tokyo male choir KuuKai

女声合唱版 空 (2000) 詩:谷川俊太郎
無伴奏女声合唱のための 悲しみは (1984) 詩:谷川俊太郎

女声合唱のための あなたにサタンがいるなんて (2001) 詩:白石かずこ
*うつのみやレディーシンガーズ晶/合唱団るふらん/女声合唱団青い鳥

混声合唱とピアノのための その日 -August 6- (2007) 詩:谷川俊太郎
*合唱団響

女声合唱曲集「街路灯」より 街路灯 (1982) 詩:北岡淳子
カチューシャの歌 (1996) 詩:島村抱月/相馬御風,曲:中山晋平,編曲:三善晃
佐渡おけさ (1996) 新潟県民謡,編曲:三善晃
*宇都宮室内合唱団ジンガメル/コーロ・カロス

童声・混声合唱と2台のピアノのための 交聲詩曲 波 (2001) 詩:宗左近
*合唱団響/宇都宮室内合唱団ジンガメル/コーロ・カロス/

 女声合唱団青い鳥/むさし野ジュニア合唱団“風”
混声合唱と2台のピアノのための であい (2003/改訂版初演) 詩:三善晃
*栗友会合同合唱団

『島根のわらべ歌』は児童合唱が心に響きました。『路標のうた』、男声の音圧に圧倒され、実はちょっと涙が。続く女声合唱の3曲は本当は難しいにもかかわらず軽々と歌っているように聞こえて心地よい。「サタン」、素晴らしい。「その日〜」は戦争が題材なので音もかなり耳にいたいのですが、それをきちんと歌いこなさているのに感嘆。ここで休憩。

アラカルトの3曲は難しいにもかかわらず(以下略)。『波』はいい曲だなあ。でもこの編成だとなかなか再演できないかも。爆演と言っていい名演だったので、できればライブCDを発売してほしいなあ。「であい」も素敵な曲。三善さん自作の詩が本当にこころに沁みて、聴きながら泣いてしまいました。

とにかく栗山さんの恐ろしい組織力と音楽的に合唱団員を高める力に驚きました。並じゃないです、このレベルは。あと、共演したピアニスト3名もおそろしくうまくて、これにも感銘。とくに寺嶋さんのピアノをインテンシブに聴いたのは初めてなのですが、あの人すごいわ。驚愕です。

ということで、二日連続ですごいものを聴いてしまいました。オペラ、本当に楽しみ。

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2008年10月18日

三善晃作品展 T器楽・歌曲作品

三善晃作品展 T器楽・歌曲作品 を聴いてきました。

2008年10月18日(土)
open15:30 start16:00
東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル

プログラム
●En vers (1980)
*Pf 岡田博美

●円環と交差 (1995-98)
*Pf 岡田博美

●歌曲集「聖三稜玻璃」 (1962)
*Mezzo-sop 小畑朱実, Pf 中川俊郎

●鏡 (1981)
*Vn 辰巳明子

●随風吹動 (1999)
*Fl 遠藤剛史, Pf 中川俊郎

●弦楽四重奏曲第V番「黒の星座」 (1992)
*Vn 加藤知子/松野弘明, Va 飛澤浩人, Vc 長明康郎

休憩

●Message Sonore (1985)
*プレイアード五重奏団

●響象T・U (1982-95)
*Pf 岡田博美/中川俊郎

●ピアノ小品
*Pf 岡田博美
(多分アンコールの代わり。曲名を知りません、すみません)

●Etoile à Cordes(弦の星たち) (1991)
*Vn 西江辰郎, 指揮 沼尻竜典, 三善晃作品展特別編成弦楽アンサンブル

初めて岡田さんのピアノを聴いたのですが、結構激昂したように情熱的な演奏をするのに、一音一音が弾き飛ばされることがなく豊かで、雫のようにふくらみをもっているのが印象的でした。あと、左足で床をドンドン叩くのが新鮮でした。

小畑さんはあの難曲を全く音痴に聞こえないように歌い上げ、しかも日本語がかなり聴き取れたので感嘆。メゾソプラノの声質としての豊かさもあり、素晴らしい演奏でした。あと、中川さんってのはやっぱり天才だね。

辰巳さんの演奏は非常に芯の強い、メロディアスなものでした。独奏ですから音が豊かでないと意味がないわけで、そういう意味でも辰巳さんの熟達した演奏に酔いしれました。

遠藤さんのフルートも素晴らしい。呼吸という身体行為が背後にあることを感じさせない、それでいてフルートが息の楽器であることを思い知らせるような不思議な演奏で楽しませてくれました。こんなひねくれた聴き方をするのは僕だけでしょうが。

弦四の曲は、各パートが他のパートに戦いを仕掛けるようなエキサイティングな演奏でした。曲中何度も「おっ!」と僕も身を乗り出してしまうような部分があり、決して音楽的には易しくないのに、聴いていて興奮しました。

プレイアード五重奏団の演奏も、打楽器がかなり存在感を持っているため丁々発止、という感じが強かったかな。しかしfl.cl.cb.ma.perc.という編成でも自由自在に書けてしまう三善さんっていったいどれだけ天才なんだ。

最後の曲は沼尻さんの指揮、西江さんのソロともに大変すばらしかった。弦楽オーケストラのうねりせり出すような感覚が心地よかったなあ。

どの曲も三善さんにしか書けない緻密さと音楽的な重みを持った素晴らしい曲だったので改めて三善さんのすごさを思い知りました。なんと二作目のオペラを現在作成中とかで、そちらも楽しみ。あと、特筆しておきたいのはプログラムの充実ぶりと、作品全目録というおまけのこと。どちらも大変に素晴らしい出来で、永久保存版と言っていいと思います。制作にあたったスタッフの方に拍手!

明日は合唱のコンサートに行ってきます。

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2008年10月17日

『廃墟から』

信長貴富さんの『廃墟から』 を購入。信長さんが継続的に作曲上のテーマにしてきた戦争に関しての集大成ともいえる曲です。

三楽章形式で、取り上げられたテキストもさまざま。言葉の断片をつないでいく手法も信長さんの得意とするところです。16声部までdiv.するところもあり、技法的には信長作品のなかでもっとも高度なものを要求されます。決して耳なじみの良い音ばかりではありませんが、三善晃さんの「レクイエム」しかり、不協和音は戦争ものにとって必須の音楽的要素なので、むしろこの「聴きにくさ」が聴き手の理解を促進するでしょう。

多分僕は一生歌う事はないでしょうが(こんな難曲を歌える合唱団に所属していない)、CDとか、発売されないかなあ。怖いもの聴きたさ、というか。

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2008年10月06日

ムジカ・アルブル第二回公演[木下牧子展]

ムジカ・アルブル第二回公演[木下牧子展]を聴きにいきました。

ムジカ・アルブル第二回公演[木下牧子展]
10月3日(金)18:30open 19:00start
@かつしかシンフォニーヒルズ モーツアルトホール


1.女声合唱とピアノのための「花のかず」
鈴木静子(Cond.)詩音(F-Chor.)岡部裕司(Pf.)

10曲からなる小曲集。もともと雑誌連載の曲ばかりなので、全曲通しての演奏はほぼはじめてのようでした。シンプルだけれどいいメロディが多く、ピアノも音が多く重厚でした。何曲かピックアップしてもよいかもしれないなあ。

2. ピアノための「夢の回路」
堀田万友美(Pf)

言わずと知れた木下さんのかなり難易度の高いピアノ作品。堀田さんはバリバリと弾きこなしていて、この曲のもつダイナミックさがよく表現されていました。先週の個展といい、この曲は演奏者に恵まれていると思う。

3. Sax.四重奏のための「アンダンテとカプリッチョ」
クローバー・サクソフォン・カルテット
 村田祐和、田村真寛、貝沼拓実、坂口大介(Sax.)

木下さん芸大2年の時の作品。楽譜はちょっと見た事がありましたが演奏は聴いた事がなかった。だから、今回の演奏会に僕が行った最大の理由はこれ。若い時にこんなに流麗で軽快な音楽を書けるなんて…木下さんって天才かも。演奏も息の合ったもので、素晴らしかったです。

休憩。


4.木下さんのトーク。
さばさばした木下さんの魅力がいっぱいの話。個人情報になるでしょうから中身は秘密にしておきます(笑)。

5. 歌曲集「秋の瞳」
渡邉真弓(Voc.)三原敦子(Pf.)

木下さんの割と初期の頃の歌曲。これ、本当に名曲ぞろいなんですよ。バリトンとかもいいけれど、ソプラノでの演奏も華があっていいなあ。

6.ピアノ連弾曲集「やわらかな雨」より
岡部裕司 堀田万友美(Pf)

「西風のゆくえ」「祈りの鐘」「ダッシュ」の三曲。この連弾曲集、いい曲があるので、いつか、ちゃんとCD化とかされるといいんだけれど。

6.女声合唱とピアノのための「ファンタジア」
鈴木静子(Cond.)詩音(F-Chor.)岡部裕司(Pf.)

言わずと知れた木下さんの女声合唱の名曲。そうか、大人の声でやるとこうなるのね…。


アンコール。これがある意味白眉でした。渡邉三原コンビの「ロマンチストの豚」に、渡邉さんをサックス4本が伴奏する「だれかが小さなベルをおす」(これがとにかくよかった。声とサックスって音色が遠すぎず近すぎずでとてもいい組み合わせかも)、堀田岡部の「ユレル」、で、最後に全体で「さびしいカシの木」。まあどれもメロディが美しいこと美しい事。

ということで、盛りだくさんの演奏会でした。

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2008年09月27日

木下牧子作品展3[室内楽の夜]

木下牧子作品展3[室内楽の夜]を聴きにいきました。2回目の個展の時はまだ高校生でしたので、初木下個展です。あまりにすばらしい演奏会だったので、各曲ごとに感想をば。

木下牧子作品展3「室内楽の夜」
9月26日(金)18:30open 19:00start @津田ホール

1. ピアノのための「夢の回路」 Pf.柴田美穂 

2楽章のかなり難しい(技巧的にも、音楽の内容的にも)ピアノ曲。ですが、柴田さんはがんがん弾き倒していました。ドラマティックな演奏に思わず呼吸するのを忘れてしまったくらい。CDよりも音楽的なテンションが高かったのが大収穫。

2. ソプラノと室内楽のための「ヴォカリーズ」 
   Sop. 佐竹由美 Harp. 早川りさこ Perc. 竹島悟史 Cello. 銅銀久弥

これまたロマンティシズムあふれる名曲。しかしソプラノには超絶技巧を要求されます。佐竹さんが楽々歌っていたのに本当にびっくり。すごい歌手の演奏を聴いてしまった。

また、実際に生演奏を聴くと、CDよりも各パートの音がはっきりと聞こえて、「室内楽的」な音楽だなあ、とこの曲への印象を改めました。特にチェロが音楽を推進していく力には引き込まれました。この曲、スコアが出版されないかなあ。

3. クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための「ねじれていく風景」
   Cl. 武田忠善 Vn. 瀬川光子 Pf. 柴田美穂

前半最後の曲は3楽章形式のクラリネット・トリオ。円熟の妙技という感じで、余裕たっぷりに演奏しているのが驚きでした。木下さんの最大の魅力である複調がはっきりと聞き取れ、決して簡単な和音ではないのに音楽的にとっつきやすいので、腕に自身のある人なら演奏してみたいと思うんじゃないかなあ。

 ここで休憩。

4. フルートとパーカッションのための「夜はすべてのガラスである」
   Fl. 間部令子 Perc. 村居 勳

木下さんの作品にしてはおどろくほど「現代音楽的」な作品。完全な無調の部分もあり、フルートは特殊奏法も用いたりと、初めて聴いた僕にはとても意外に感じました。打楽器の用い方はいかにも木下さん、って感じでしたけど。

5. パーカッション・アンサンブルのための「ふるえる月」
   Vib. 西久保友宏/横田大司/小林巨明 Mar. 村居 勳

鍵盤系打楽器4台を基本楽器として用いたすばらしい楽曲。生で聴くと各楽器のトレモロが重なりあってモワレ効果が生まれ、会場を響きが包む感じになるんですね。この曲、何度も聴けば聴くほど名曲だな、と思います。

また、後半ステージのすべての曲に参加しているPerc.の村居さんの演奏がすばらしかったこともここに書いておきたい。彼の弾くマリンバは絶品ですよ。残響があまりに豊かなので、余韻が衝撃波のようにぼわん!と伝わってくるんですよ。リズム感もすばらしいし。シエナの奏者ということで合唱畑の僕には今までなじみのなかった方ですが、今後ちゃんと注目していかねば。

6. パーカッション・ソロ+アンサンブルのための「打楽器コンチェルト」
   Perc.solo 菅原 淳 
   Perc.ensemble 小林巨明/西久保友宏/村居 勳/横田大司

急緩急の3楽章から成るパーカッションコンチェルト。全編にわたって木下さん的なリズムと独特の和音感覚の妙味が味わえる、とてつもない名曲です。5人が打楽器を奏したら、会場の空気の振動なんて完全にコントロールされてしまうものですね。これこそ打楽器の最大の魅力です。

あと、なんといってもソリストの菅原さんがすごい。どこまでもアグレッシヴなのに全然押し付けがましくない音楽の解釈力、それを可能にするテクニック、存分に堪能させていただきました。このコンチェルト、名曲なのでほぼ間違いなく菅原さんのソロで再演されることになるでしょう。その時はなんとしても聴きにいくことにします。

これほどたくさんの奏者を集め、各曲に関するベストなメンバーで演奏会をして、しかも初演まである、ということで、ちょっと考えられないくらい贅沢な演奏会でした。09年はピアノ曲を重点的に、10年は管弦楽作品を書く、とプログラムにありましたのでそちらも楽しみです。しかし僕は、第4回の個展はぜひとも吹奏楽でやってもらいたいんですよね…木下さんの吹奏楽作品は、ちょっと他に類を見ない独創性とすばらしさを持っているので。「パルセイション」「ゴシック」「シンフォニア」「序奏とアレグロ」「サイバートリップ」…ほら、あと1曲か2曲書けば演奏会、できるじゃないですか!

ということで、本当に本当にすばらしい演奏会でした。来週はもう一つ、木下作品の演奏会に行ってきます。

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2008年09月18日

『わたしの中にも』

教育芸術社のオリジナル合唱ピース、『混声編40 わたしの中にも』 を購入。収録曲の情報は以下の通り。

わたしの中にも(新川和江 作詞/松本 望 作曲)

松本さんの新作がピースで登場です。シンプルで、調性もはっきりしていてわかりやすいのに、松本さんにしか書けない音が並んでいるんですよね…特にピアノパートの独創性は群を抜いている。松本さん自身がピアニストでもあるからでしょうか。歌もそこまで難しくないので、校内合唱コンクールあたりでやったらまわりと選曲もかぶらないだろうし、いいのではないでしょうか。でもそう遠くないうちに組曲になって、ぜったいみんなの知るところとなる曲でもあるな、とも思う。歌い手が松本さんを放っておかないでしょう、きっと。ということでオススメ。
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『同声(女声)合唱とパーカッションのための4つの舞曲』

教育芸術社のオリジナル合唱ピース、『同声編36 同声(女声)合唱とパーカッションのための4つの舞曲』 を購入。収録曲の情報は以下の通り。

同声(女声)合唱とパーカッションのための4つの舞曲(木下牧子 作曲)
1.シチリアーノ
2.パストラル
3.メヌエット
4.タランテラ

全体的に2部が多く、3部もたまにありますが、4部はほとんど無い、という感じでディヴィジョンは少なめ。打楽器パートはとても簡単で歌い手の一人が歌いながら演奏できます。歌詞もヴォカリーズなので曲はかなり単純。しかし演奏は意外と難しいかも。というのも音の動きが細かいんですよ、思いのほか。なので、子供や中学生の合唱団が基礎的なスキルを高めるためには最適の練習曲となるかも。男声はこれ、歌っちゃいけないのかなあ(いけない気がする、笑)。
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『混声編31 風/ふたつのおと』

教育芸術社のオリジナル合唱ピース、『混声編31 風/ふたつのおと』 を購入。収録曲の情報は以下の通り。

風(片桐ユズル 作詞/信長貴富 作曲)
ふたつのおと(熊谷菜摘 作詞/飯沼信義 補作詞・作曲)

信長作品目当てで購入しました。実はそんなに新しい作品ではないんですが、あまり演奏されていない模様。でも適度に難易度が高く、かといって難解ではなく、詩の内容も若い人向けなので、高校の混声合唱団なんかはもっと演奏してもいいと思う。信長さんのスピリットがもっともよく出た、隠れた(隠れてなかったらごめんなさい)名曲だと思う。この曲はもっと広めるべきです。オススメ。

飯沼作品も無伴奏部分があったりして結構ハード。これも難易度的には信長作品と同じくらいかな。校内合唱コンクールとかで使えそうです。

あと2回ほど教育芸術社の合唱ピース紹介が続きます。
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2008年08月05日

『不思議の国のアリス』

木下牧子さんの『オペラ 不思議の国のアリス ヴォーカルスコア』 を購入。

木下さんの初オペラのヴォーカルスコアがついに発売です。ということで買ってしまいました。初演は聴いたのですが、改訂完全版の方は聴いていなかったので、後半部分の充実ぶりに「さすが推敲の鬼!」と思いながら楽譜を眺めました。

さて、その後縦弾きしたのですが、思いのほか難しい。ピアノリダクションだからというのではなくて(むしろリダクションとしては相当弾きやすい部類に入ると思う)、あまりの複調の多さに頭が追いつかない。そうそう、木下さんは現在の日本の作曲家の中で最も複調の扱いがすばらしい人なんですよね。弾き進むにつれてこの複調の感じが快感になってきました。

リダクション版から抜粋して、重唱や合唱で演奏するのも面白いかも。使い勝手のある曲集ですね。それにしても、CDやDVDの発売はいつ?

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『雲は雲のままに流れ』

信長貴富さんの『雲は雲のままに流れ』 を購入。待望の混声アカペラ小品集です。さまざまな詩人の詩に曲がつけられています。何曲かピックアップして演奏するにはもってこいの楽譜集ですね。

当然イチオシは「歩くうた」。初演を聴きましたが、演奏ののちの割れんばかりの拍手といったら!この曲の出版を待ち望んでいた合唱人はすごく多いはず。木下牧子さんの「鴎」や「夢みたものは」に並ぶ愛唱曲になるのは間違いないでしょう。

ということで、オススメ。

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2008年07月03日

『食卓一期一会 -今日、何を食べましたか? -』

長田弘さん作詩、信長貴富さん作曲の『合唱のためのシアターピース 食卓一期一会 -今日、何を食べましたか? -』の楽譜を購入。

シアターピースの楽譜ですが、楽譜の見た目は普通の合唱曲集。演出は演出家に一任されている、とのことです。ちなみに合唱は二段譜。四段譜じゃないんですよね。この違い、単なる記譜法の違いを越えて音楽の中身にダイレクトに効いてくるんですよね。全体的に音数は少ないが厚い音がしています。全部上演すると1時間を超える大作です。これまた実演が見てみたい。
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『ゴールドベルク讃歌』

谷川俊太郎さん作詩、信長貴富さん作曲の『混声合唱とピアノ(四手)のための ゴールドベルク讃歌』の楽譜を購入。

縦弾き不可能(ピアノが4手だから)なので頭の中で想像した感じで言っちゃいますが、バッハの「ゴールドベルク変奏曲」のフレーズを取り込もうとすることによって、いつもの信長さんの曲よりもかない硬派な曲に仕上がっています。ロマンティックな面がほどよく抑制されていて、僕はこういう知的な曲が好きです。あとは実演を聴いてまたどんな感想を持つか、を考えてみたい。ちなみに合唱の難易度はそれほど高くないですが、ピアノは高度なアンサンブル力を要求されると思う。さて、どの団体の実演を聴こうかな。
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『ピアノ・ストーリーズ・ベスト '88-'08』

久石譲さんの『ピアノ・ストーリーズ・ベスト '88-'08』の楽譜を購入。同名のベストアルバムは買ってません(汗)。

欲しかった理由は、「The Wind of Life」のオフィシャルな楽譜が載っていたから。それまで市販されていたものは2分の2でしたが、本当は4分の4なんですね。

でも、久石さんが手を入れたことによって、楽譜とCDと音が違う箇所が結構ある。う〜ん、残念。久石さんはオフィシャル楽譜で結構いつも失敗している気が…大衆にこびずに自分が弾いた音を難しくても書いてくれればいいのに。
posted by △ at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | みみをすます | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする