2008年02月04日

『遠い島の友へ…』

東京混声合唱団のCD、『遠い島の友へ…』を購入。収録曲目と演奏者は以下のとおり。

●間宮芳生 曲:合唱のためのコンポジション第16番
●宮澤賢治 詩・西村 朗 曲:同声(女声または男声)三部合唱とピアノのための組曲 永訣の朝
●李 静和 テキスト・高橋悠治 曲:混声合唱とピアノのために 遠い島の友へ…
●野平一郎 編曲:混声合唱のための幻想編曲集「日本のうた」

東京混声合唱団 田中信昭 conductor 中嶋 香 piano

どの曲も大変演奏がすばらしく、聴きごたえがあったのですが、演奏するなら野平さんの編曲集の中の「ずいずいずっころばし」がダントツで面白い。耳馴染みがよいけれども斬新な和音が必聴です。

このCDをもって東混創立50周年シリーズはおしまいとのこと。う〜ん、新曲ばかりを発売する、大変貴重なプロジェクトだったので終わってしまうのが残念。次のCD発売を望みます。ということで、オススメ。
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2008年01月10日

『バッハに縁取られたアラベスクとアレンジメント』

東京大学教養学部ピアノ演奏会『バッハに縁取られたアラベスクとアレンジメント』を聴いてきました。

20080110
18:00open 18:30start
@東京大学駒場コミュニケーションプラザ北館2階音楽実習室

ピアノ:高橋悠治

J.S.バッハ 《ゴルトベルク変奏曲》より第25変奏「アダージョ」
R.シューマン 《アラベスク》作品18

J.S.バッハ 《ゴルトベルク変奏曲》より第15変奏「5度のカノン、アンダンテ」
コダーイ Z. 《クロード・ドビュッシーのモティーフによる瞑想》

J.S.バッハ 《ゴルトベルク変奏曲》より第16変奏「序曲」
ヨーゼフ・マティアス・ハウアー 《12音遊戯(1947年新年)》

J.S.バッハ 《ゴルトベルク変奏曲》より第13変奏
高橋悠治 《アフロアジア的バッハ》より 空、沈む月、浮き雲、闇のとばり、煙の渦、瞬く炎、さざなみ、冷たい雨、散る砂、黄昏

J.S.バッハ 《ゴルトベルク変奏曲》より第28変奏
F.ブゾーニ 《ソネティネ 1917年のキリスト生誕日に》

J.S.バッハ 《ゴルトベルク変奏曲》より第30変奏「クオドリベト」
H.ヴィラ=ロボス 《ブラジル風バッハ》第4番より第2曲「コラール(奥地の歌)」

J.S.バッハ 《ゴルトベルク変奏曲》より「アリア」

アンコール:J.S.バッハ「」


バッハの《ゴルトベルク変奏曲》のなかの曲と、それらと関わるような曲とをカップルにしてトークを交えながら演奏していく、コンセプチュアルな演奏会。演奏が高橋悠治さんというのですから、面白くないわけがありません。

バッハじゃない曲を弾いても高橋さんの演奏は高橋さんの演奏でした。シューマンも高橋リズムで弾くんだもん、まいっちゃうよなあ(ニヤリ)。

高橋リズムというのは、音楽の中に複数のテンポもアクセントも違うリズムが共存している感じを表すために僕が今作った言葉です(汗)。なんというか、千鳥足のようでいて絡み合って音楽が進んでいく感じ、気持ちいいんですよねえ。高橋さんが他に類をみないすごいピアニストだということがよくわかります。

それにしても、この演奏会が学内で行われるとは…東大ってのはすごいところらしいです、はい(笑)。
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2008年01月06日

日吉武&端山圭子ピアノ・デュオ・リサイタル

日吉武&端山圭子ピアノ・デュオ・リサイタル を聴きに行く。

2008/01/05(Sat.) open16:30 start17:00
神奈川県立音楽堂

プログラム

モーツァルト ソナタロ長調K.358(186c)
フォーレ ドリー
ブラームス ハイドンの主題による変奏曲 作品56b

休憩

岡田宏 2台のピアノのための抒情歌―鹿児島民謡の主題による―(委嘱初演)
ミヨー スカラムーシュ(2台のピアノのための組曲)
ラフマニノフ 2台のピアノのための組曲 第2番 作品17

アンコール:フォーレ『ドリー』よりBerceuse


2台ピアノの名曲ばかりがそろった演奏会だったので、行きました。最初の2曲は連弾ですが。とてもよい演奏会でした。どの曲がメインになってもよいくらい重いプログラムでしたが(苦笑)。

連弾2曲はオーセンティックな曲だけあって、しかも連弾ですから二人の息が合っていました。ドリーって思いのほか難しいな、とも思いましたけど。ブラームスは彼らしい音の厚みで面白かった。

チャレンジングな初演作品は演奏者が大変そうでした。ミヨーは弾き慣れた感じの演奏でとても安心して聴けたし、やっぱり一番面白かったかも。ラフマニノフは難曲かつ大曲でしたが、堂々たる演奏でした。アンコールも肩の力が抜けてよかったし。

ということで、大満足の演奏会でした。こういう演奏会を自主的に企画して行うの、とても大変だと思いますが、続けてほしいものです。

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2007年12月27日

『朝のリレー』

東京外国語大学混声合唱団コールソレイユの演奏によるCD、『朝のリレー』 を購入。20分程度の合唱組曲だけが収録されたいわばミニアルバム、値段は1680円とそれほど安くはないのですが、このCD、強くオススメです。

まず、『朝のリレー』という作品が実にすばらしい。技巧的な側面とメロディックな側面がうまく同居した、合唱組曲としてかなりハイレベルの完成度を持った作品です。難しすぎず易しすぎず、適度な難易度であるところもよい。

そして、なんといってもコールソレイユの演奏がすばらしい。細かい瑕瑾にいろいろツッコミを入れる人(特に他大学の合唱団員)はいると思いますが、僕としてはこの音色と音楽作りを高く評価したい。大人っぽさとさわやかさが同居したこの声質に、大学合唱団かくあるべし、という感想を持ちました。初演のライブ録音であるにもかかわらず再演のように歌いこなしているのもさすが。

コールソレイユと言えば木下牧子さんの『ティオ〜』と『方舟』を収録した伝説的なCDを作りましたが、このCDも名門の風格を漂わせるものでした。こういう路線、好きだなあ。

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『信長貴富合唱作品集 春と修羅 ノスタルジアU』

合唱団ひぐらしの演奏によるCD、『信長貴富合唱作品集 春と修羅 ノスタルジアU』 を購入。

CD化が待望されていた信長さんの大作『春と修羅』、ひぐらしが委嘱した『ノスタルジアU』(全10曲)、『ノスタルジア』から数曲、と信長さんの裏代表作ばかりが集められた意欲的なCDです。耳なじみのよい曲ばかりでない、最近の信長さんのチャレンジングな作風をしっかり受け止めた選曲に、ひぐらしの心意気を感じます。

演奏も非常にハイレベル。重厚感と機動性がいいバランスで共存する名演ぞろいです。信長作品の音源の中でも、かなりよいものだと言えるのではないでしょうか。

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『男声合唱委嘱作品集1〜次世代に伝えたい 粒よりの名曲〜』

東海メールクワイアーの演奏によるCD、『男声合唱委嘱作品集1〜次世代に伝えたい 粒よりの名曲〜』 を購入。大中恩さん、???さん、そして信長貴富さんの男声合唱の作品が収録されています。

もちろん白眉は信長さんの『くちびるに歌を』。手頃な難易度の男声合唱組曲で、しかも音楽的規模が大きいので、コンサートのメインステージの曲として歌い継がれるのではないでしょうか。一般音源が待望されていただけに、このCDの発売は多くの男声合唱団にとっての朗報となるんじゃないでしょうか。

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2007年12月26日

『BandJournal 2008年1月号』

『BandJournal 2008年1月号』 を購入。この雑誌に思い入れは特にないのですが(汗)、木下牧子さんの「春に」の吹奏楽伴奏版の譜面が付録として収録されているので、購入しました。ということで今回は「春に」の譜面の感想のみ。

編成はかなりシンプルなものです。バスクラとかファゴットとかもないですし、パーカッションも楽器は3つ、奏者は2人です。オーケストレーションも各楽器の個性がぐいぐい前に出てくる、というよりも、複数の楽器を複数の音域で組み合わせることによって厚みのあるどっしりとした響きになっています。強い響きだと合唱の歌詞を消してしまうので、こういう風に書いたのでしょうね。う〜ん、実演も聴いてみたいです。合唱団は100人必要でしょうけど。

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『ファンタジア 木下牧子女声合唱作品集』

東京放送児童合唱団の演奏によるCD、『ファンタジア 木下牧子女声合唱作品集』 を購入。『ファンタジア』『絵の中の季節』『地平線のかなたへ』が収められています。いずれの作品も、児童合唱団によって歌われるとこんなに新鮮な響きがするのか、という高水準で演奏されていて、感銘を受けること間違いなしです。セット音源の一般発売、ということなのですが、これは確かに一般発売される価値はあります。

『ファンタジア』は音が厚く、幻想的な雰囲気の曲が並びます。『絵の中の季節』は木下さんの合唱組曲の中で最もすばらしい作品だと僕は思っていて(なぜなら一切の無駄がないから)、全曲聴けるのはとてもうれしかった。演奏もとてもすばらしいです。『地平線のかなたへ』は、混声版とは違った清潔な響きが聴けるので資料としての価値が高いでしょう。

ということで、合唱人なら持っているべき一枚です。オススメ。

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『虹 木下牧子男声合唱作品集U』

なにわコラリアーズの演奏によるCD、『虹 木下牧子男声合唱作品集U』 を購入。『いつからか野に立って』『わたしはカメレオン』『方舟』が収められています。

ダントツの名曲は、やはりタイトルチューンでもある『いつからか〜』の第一曲、「虹」でしょう。男声合唱ならではの簡潔さがものすごく良い方向に活きています。その他の作品も聞き所がいっぱいです。

演奏は僕の好きな、男声合唱っぽくない=叫ばない、繊細なものでした。欲をいえばもう少し音程や和音がはまっていればよかったのですが、男声合唱って難しいですから、仕方ないです。いずれにせよ、何かと言えば軍歌っぽい歌ばかりを叫ぶように歌う、そこら辺の男声合唱団は、これを聴いて勉強しましょう。

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『松下耕作品集vol.1 民謡』

VOX GAUDIOSAの演奏によるCD、『松下耕作品集vol.1 民謡』 を購入。松下耕さんの作品、楽譜にしろCDにしろ久しぶりに購入したのですが、すばらしい内容でした。

松下さんのライフワークとも言える民謡を題材にした作品ばかりが集められています。かなり複雑な和音が駆使されているのですが、VOX GAUDIOSAは完璧な演奏をしています。こういう音源が発売されることは、作品にとって幸せなことですね。それでいて遊び心もある演奏なので、堅苦しくはないです。

聴き手の感性として安易と言えば安易なのですが、アップテンポの曲が楽しいですね。「狩俣ぬくいちゃ」「三京ぬ後」「俵積み唄」は必聴。

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2007年12月08日

PEPE TORMENTO AZUCARAR×菊地成孔

菊地成孔コンサート2007、PEPE TORMENTO AZUCARAR×菊地成孔を聴きに行く。初菊地&初オーチャードです。

2007/12/07
18:30open 19:00start
@Bunakamura Orchard Hall

すみません、プログラムに関しては省略です。まだ菊地さんのファンになりたてなので、曲を聴いてタイトルが完全にわかる領域には達しておりません(汗)。

ということで雑感も雑感、印象を書き連ねるだけになりますが、感想をば。

まずは客層。男性も女性もドレスアップしている方が多く、僕を誘ってくれた方によれば、仕事用のではないスーツを着ている男子が多い、とのこと。確かに客は全体的に若めかつおしゃれで、とりあえずジャケットをひっかけてでかけただけの僕はやや気後れしました。菊地さんの音楽って大変知的なので、客も文化系なのだろうな、とその時は思ったのですが、あとになって考えると、ジャズでオーチャードホールってめったにないので、客も初のオーチャード体験で舞い上がっていたのかな、ともふと思う。すくなくとも、オーケストラの演奏会をしょっちゅうコンサートホールで聴くような人たちは、文化系度では負けていないと思うけど、あんなにドレスアップしません。どちらにせよみんながびしっと決めている感じ、僕は嫌いじゃないです。

さて、コンサートは二部構成。一部のラストの曲直前に菊地さんのトークがあり(当日販売されるワインとシャンパンを菊地さんがセレクトしたそうです)、休憩時間は酒を飲む人でロビーがごったがえしました。でも確かにお酒が欲しくなる音楽だったなあ。僕は飲めないので勝手な想像ですが。二部では未聴の曲が多く、アンコールはハープと菊地さんのデュオ、全体での演奏と2曲ありました。19:00過ぎに開始で終わったのが22:00ですから、かなり盛りだくさんな演奏会でした。

生で聴いてすぐにわかるのは、菊地さんのリズムに対する過剰なまでの固執でした。少なくとも僕が今までに抱いていたジャズのイメージの中に、ああいう複雑なリズムというのは存在しませんでしたからね。そして、かっこいいリズムというのは生演奏から感じ取るに限るので、同じ曲でもCDで聴くよりライブで聴いた方がずっと楽しい。リズムを自分の中に浸しながら、ぐっと呼吸を音楽の方に合わせて行く感じ、これがライブの醍醐味ですね。

本当に門外漢なので、あまり深いことは書けない(菊地さんのファンってみんなとても賢そうで、きっとブログとかもこまめにチェックしているだろうし…我ながらすごい偏見)のですが、とにかく最高に楽しくていいコンサートでした。誘ってくれた方に感謝感謝。

そうそう、キクペペはこの演奏を最後に編成を変え、リニューアルするそうです。そちらも楽しみですねえ。
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2007年12月07日

機械のための音楽――機械についての音楽

東京大学駒場博物館での企画展を記念したコンサート、機械のための音楽――機械についての音楽を聴いてきました。遅くなりましたが、ご報告。

2007年12月1日(土)
第一部 18:00開始  ワークショップ公開プレゼンテーション 
会場:東京大学 駒場博物館1F
第二部 19:00開始
会場:東京大学 駒場コミュニケーション・プラザ 北館2F音楽実習室

マーティン・リッチズの音楽機械
Martin Riches’ Music Machines

フルート:木ノ脇 道元
Flute: Kinowaki Dōgen

ピアノ:松山元(G)と松山優香(Y)
Piano: Matsuyama Gen and Matsuyama Yuka

ソプラノ:小林菜美
Soprano: Kobayashi Nami


プログラム:
第一部:駒場博物館1F にて18時開始
First Part: Komaba Museum, First Floor, 18:00
・トム・ジョンソン『リバーサブル』
Tom Johnson: Reversable
・ペール・アングラメル『木こり』
pere Engramelle(arr.): Le Bucheron
・ペール・アングラメル『バルスロネット』
pere Engramelle(arr.): Le Barcelonette
・ショーン・トウザ『オール・チェンジ』フルート とM. リッチズのフルート・プレイイング・マシンのため
Schaun Tozer: All Change for Flute and Martin Riches’ Flute Playing Machine
・大学院生のワークショップの発表会(音楽機械のための作品)
Presentation of the Workshop for Graduate Students (Works for Music Machines)


第二部:駒場コミュニケーション・プラザ北館2F
音楽実習室にて19時開始
Second Part: Komaba Communication Plaza 2F Music Practice Room , 19:00
・フランツ・シューベルト(1797-1828)『糸を紡ぐグレートヒェン』ソプラノとピアノ
Franz Schubert: Gretchen am Spinnrade (Sopran, Klavier)(Y)
・ジャック・オッフェンバック(1819-1880)オペラ『ホフマン物語』よりオランピアのアリア「森の小鳥は憧れを歌う」
Jacques Offenbach: Les oiseaux dans la charmille(Les Contes d'Hoffman)(Y)
・エルンスト・トッホ(1887-1964)ブルレスケ作品31より第3曲『曲芸師』
Ernst Toch: Der Jongleur aus Burlesken(G)
・石川義一(1887-1962)『渦巻』ピアノのため(1933)
Ishikawa Yoshikazu: Uzumaki for Piano(G)
・レオ・オルンスタイン(ca. 1893-2002)『飛行機の中での自殺』ピアノのため
Leo Ornstein: Suicide in an Airplane for Piano(G)
・吉松 隆(1953年生)『デジタルバード組曲』フルートとピアノのため
Yoshimatsu Takashi: Digital Bird Suite for Flute and Piano(Y)

ふう、ここまで書き写すのに疲れました(笑)。ということで、無料の演奏会とは思えないプログラミングです。

第一部は博物館内での演奏会。短い曲が多い中、木ノ脇さんと機械のアンサンブル作品が長大で面白かった。大学院生の方々も多才だなあ。

第二部はすごかったです。小林さんの超絶技巧もすごかったし、ピアニストのお二人もすばらしかった。元さんの方は演奏に白熱しすぎて爪を痛めてしまったようです。

そしてなんといっても今回の白眉は木ノ脇さんが演奏する『デジタルバード組曲』。二人の息が合っていないと全く音楽にならない難曲なのですが、かなりかっとばして演奏していました。ピアニスト(優香さん)のアンサンブル能力の高さには仰天です。そして木ノ脇さんのフルートは自由闊達でした。なんというか、一切の迷いなく音楽が突き進んで行くんですよね。これ、現代音楽の演奏では、なかなかできないんですよ、みんな譜面を再現するので精一杯で。う〜ん、すばらしかったです。

ということで、企画展の最後にふさわしい演奏会でした。東大の企画力、すごいなあ。


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2007年12月03日

『ブルレスカ』

鷹羽弘晃さんの『ブルレスカ』を買う。楽譜です。

CDでこの曲を聞いたときは「すごい規模の曲だなあ」「演劇的だなあ」と思ったのですが、楽譜を見てみると、むしろその緻密さにびっくりすること請け合いです。チャンスオペレーションとか、全然ないんですよ。きちんと全ての音符が書かれていて、それらがまた絶妙なんですよね。計算された演劇性、うん、憧れます。

難易度からいってどの合唱団でも演奏できるような曲ではないので、おいそれとオススメできるわけではないのですが、とにもかくにもすごい曲なので、興味のある人はぜひ楽譜をご覧になるとよいかと思います。
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『夢の意味』

上田真樹さんの『夢の意味』を購入。楽譜です。

楽譜を見ればすぐにわかりますが、どのパートも平易に書かれていて、どんな世代の人でも歌える曲になっています。しかも少しも安易な曲ではない。間違いなくこれは21世紀のスタンダードとなる合唱曲でしょう。

上田さんのすごいところは、メロディーがシンプルでかつかなり独創的なところ。誰もが書きそうで書けなかったメロディがふんだんに使われていて、つまりは前編聴きどころなわけです。なかなかないですよ、こんな合唱曲。

朝日作曲賞を授賞した作品も遠からず出版されることになるでしょう。こちらも注目せねばなりません。ということで、強く、強くオススメ。
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2007年11月26日

町田市民合唱団第27回定期演奏会

町田市民合唱団第27回定期演奏会を聴きに行く。

2007年11月24日(土)
14:30 open 15:00 start
狛江エコルマホール

第1ステージ
Missa Brevis for mixed choir a cappella
(Paul Patterson)

第2ステージ
混声合唱のための どちりなきりしたん
(千原英喜)

休憩(15分)

第3ステージ
翼をください
いつも何度でも
世界の約束
粉雪
(全て若林千春編曲)

第4ステージ
混声合唱組曲 滄海よ うたって―人間魚雷 回天―
(車木蓉子原詩、新実徳英・神戸市役所センター合唱団編詩、
新実徳英作曲

アンコール
南海譜(新実徳英作曲、谷川雁作詩)

指揮:清水敬一
ピアノ:込山今日子(第3、第4ステージ、アンコール)
パーカッション:中山航介(第2ステージ)
ナレーション:野口翔(第4ステージ)

老舗中の老舗、町田市民合唱団の定期演奏会に行ってきました。最近では珍しい幅広い年齢層の団員がいる合唱団で、みんなで合唱を楽しんでいるのが伝わってくとてもよい演奏会でした。

比較的ご年配の方がいらっしゃるのに、曲の難易度が全然低くない、むしろチャレンジングな曲ばかりのプログラミングだったので、びっくりしました。第4ステージの曲なんか、新実さんのもっとも中心的な書法、「まとわりつき」が駆使された難曲でしたし。う〜ん、すごい合唱団だ。老舗の底力を感じました。

第3ステージのポップスも聴き応えがありました。楽しいステージがあるのは大事です。

一つだけ残念に思ったのは、素晴らしい演奏とパフォーマンスを行った中山さん、野口さんのプロフィールがプログラムに掲載されていなかったこと。当日舞台に載る全員がクレジットされていないと、ねえ。

ということで、いい演奏会でした。
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2007年11月08日

『ねがいごと』

信長貴富さんの『ねがいごと』を購入。作詩は木島始さんで、「厄払いの唄」「夏のえぐり」「ねがいごと」の3曲からなる組曲です。

1曲目は南部風鈴に太鼓、2曲目はピアノが共奏していますが、、3曲目はアカペラ。とにかく規模の大きい曲で、語り、チャンスオペレーション、複雑な和音、などがちりばめられています。最近の混声の信長作品は結構難易度が高いのですが、この作品は特にその傾向が顕著です。

ピアノ以外の楽器が必要なため、なかなか演奏の機会が少ないかもしれませんが、ぜひ実演があったら聴きにいこうと思います。
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2007年11月05日

第56回神奈川文化賞・スポーツ賞贈呈式・祝賀音楽会

第56回神奈川文化賞・スポーツ賞贈呈式・祝賀音楽会に行ってきました。贈呈式は省略。

11/3 14:30〜
指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
ソプラノ:市原愛
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

<プログラム>
オール、ヨハン・シュトラウスプログラム

喜歌劇「こうもり」序曲
喜歌劇「こうもり」より「公爵様、あなたのようなお方は」
ポルカ「雷鳴と稲妻」
喜歌劇「こうもり」よい「田舎娘を演じるときには」
トリッチ・トラッチ・ポルカ
ピチカート・ポルカ(ヨハン・シュトラウス/ヨーゼフ・シュトラウス)
ワルツ「春の声」
ワルツ「美しく青きドナウ」
アンコール:ラデツキー行進曲

ということで、とても祝典な感じの演奏会でした(笑)。とにかく市原さんの歌が素晴らしかった。細かいパッセージを実に正確かつ茶目っ気たっぷりに歌う方で、聞きほれてしまいました。すでにあちこちで活躍のようなので、今後注目していかなければ。

ということで、素敵な演奏会でした。贈呈式の「おまけ」の演奏会を超えてるね、これは。
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『音の間 ことばの魔』

「沈黙から」塩田千春展&アート・コンプレックス2007の中のギャラリーコンサート、『音の間 ことばの魔』を聴いてきました。

2007/11/02 19:30〜
神奈川県民ホールギャラリー
出演:多和田葉子(自作朗読)
   高瀬アキ(ピアノ)
美術:塩田千春

はい、多和田葉子さん&高瀬アキさんの舞台、しかも僕にはなじみの深い県民ホール、ということで、行ってきました。結論から言えば、すばらしかった。

多和田さんの朗読を聴くのは初めてだったのですが、思いのほか早口、しかも言葉の切れ目が「一般的な日本語」とは全くずれたところにあったりするので、聴いていると音と意味とが分離したりくっついたりするのがわかるんですよね。自分の持っている言語体系をバラバラにされるような快楽がありました。

また、高瀬さんのピアノは素晴らしかった。ジャズを専門とする人だけあって、多和田さんの言葉に素早く反応してアドリブでかえすところはお見事でした。プリペアードピアノや、ピンポン玉を弦の上にばら撒いての演奏など、ただピアノを弾くだけではないパフォーマンスも、なかなか普段は見られないだけにラッキーでした。なんというか、音楽がプラスされることで、言葉がスパークしている状態がより増幅されて効果的にわかるんですよね。

ということで、またこの二人の舞台があったら必ず聴きに行くでしょう。う〜ん、楽しかった。
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2007年11月01日

『Musica ex Machina―機械じかけの音楽』記念自動ピアノ演奏会

東京大学駒場博物館特別展『Musica ex Machina―機械じかけの音楽』記念コンサート自動ピアノ演奏会を聴いてきました。

プログラム
三輪眞弘/入鹿山剛堂 Nomadische Harmonie(interactive installation)
P.ヒンデミット Toccata
E.トッホ Der Jongleur op. 31,3
C.ナンカロー Study 21: Canon X
H.ゴチェフスキ 数式.gif
古川聖 フラクタルミュージック
山本純ノ介/土佐尚子 ピアノのための絶対音楽2番/絶対音楽のための絶対イメージ

三輪さんのインスタレーションは、演奏曲目というよりも開演前のパフォーマンスといった感じ。ゴチェフスキ氏がずっと遊んでいるのを聴いていた、というか(笑)。でもこのインスタレーション、かっこいいんだよなあ。

ヒンデミット作品は、ほどよく現代音楽していて楽しい。トッホ作品は割と普通かな。

そしてなんといっても僕にとって大変気になるナンカロウ作品。ナンカロウの中でも最も有名なこのカノンX、右手はゆっくり、左手は超高速のパッセージでスタートして、両者のスピードが逆転し、そのあと両手のスピードが異様に早くなって終わるんですが、とにかく人間業じゃない(そりゃそうだ、機械が弾くんだから)異様な音楽になっています。

と書いておいてなんですが、初めて自動ピアノでこの曲を聴いて、全く逆の感想も持ちました。テンポさえものすごく遅くすれば、人間の指使いにフィットした音型にはなっているんですよね。作曲者がピアノを弾きながら作曲すればそうなるのか。でもそういった意味で演奏に「人間」が見えればこそ、この曲の恐ろしさがわかる、というもの。

ゴチェフスキ作品は、「ちょっと変拍子だけれど古典派」といった形の曲。このタイトルなのにこんなに耳なじみがよいとは、やっぱり数理データを音楽的データにアサインする方法がシンプルだからなんだろうな。この種の音楽はアサインの仕方がすべてといってもいいので、楽しめました。

古川作品は5つの場面からなる対策。

そしてもう一つの楽しみだった山本作品。映像の方は僕は不得手なのでわかりませんが、音の方は山本さんらしい妙に無骨な感じがよかった。あの曲は自動ピアノに演奏させた方がよいだろうな、と思いました。機械ならではの「ガシガシ」演奏する感じに合っている。

ということで、大変すばらしい演奏会でした。この展覧会関係の次の演奏会では、なんと吉松隆さんの『デジタルバード組曲』も演奏されるとのことで、楽しみです。
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2007年10月19日

『夢の意味』

東京混声合唱団の『夢の意味』を購入。山田和樹さん指揮のシリーズ第3弾です。4人の作曲家が書いた作品がおさめられています。

まずは北爪道夫さんの『ことばあそびうた・また』。北爪さんはオーケストラでは美しいトーンクラスターを聴かせてくれる方ですが、合唱では大変素直なのに独創的なハーモニーを聴かせてくれます。言葉遊びのような詩に作曲するのが得意なんですよね、北爪さんは。

野平一郎さんの『ある科学者の言葉』。これはアインシュタインの発言を合唱曲にしたものです。いつもの野平さんの作風よりずっとわかりやすく、とても美しい。女声合唱(同声合唱)であるところもよいですね。

鷹羽弘晃さんの『ブルレスカ』。僕は鷹羽さんの「ダ ダダ カサンドラ」というとてつもないアンサンブル作品(半ば演劇的な作品でした)の初演を聴いたことがあり、感銘をうけたのですが、この合唱曲はそれとは違って(苦笑)、とても素直に現代曲として美しいです。不協和音はあるのですが、クラスターの設計が絶妙なので耳なじみもいいんですよね。鷹羽さん、こういう曲も書くのか(笑)。でも演劇的なところはやっぱり鷹羽さんらしいかも。

上田真樹さんは今年の朝日作曲賞を受賞した作曲家。『夢の意味』はとにかくオーセンティックな合唱組曲のスタイルで書かれたもので、音も掛け値なしに美しい、しかも独創的。これは高校や大学の合唱団でも歌い継がれることになると思います。

ということで、最先端の合唱を知りたい人には最適の一枚。単に聴くだけでもかなり楽しめます。オススメ。
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