2011年03月03日

2011年2月読書記録

2011年2月の読書記録。

穂村弘『絶叫委員会』
マーカス・デュ・ソートイ『シンメトリーの地図帳』
森達也×藤井誠二『死刑のある国ニッポン』
古野まほろ『群衆リドル』
熊野純彦『埴谷雄高―夢みるカント』
アヴラム・デイヴィッドスン『エステルハージ博士の事件簿』
古谷利裕『人はある日とつぜん小説家になる』
金井美恵子『猫の一年』
多和田葉子『雪の練習生』
大貫隆『聖書の読み方』
アラン・ベネット『やんごとなき読者』
岩田健太郎『予防接種は「効く」のか?』
道尾秀介『月と蟹』
大森望編『不思議の扉 時をかける恋』
菅原克己『英語と日本語のあいだ』
辻原登『東京大学で世界文学を学ぶ』
イアン・サンソム『蔵書まるごと消失事件』
イアン・サンソム『アマチュア手品師失踪事件』

以上18冊。う〜ん、2月は小説の割合が低いですね。エッセイを除いてしまうと、小説は半数の9冊。3月は小説を増やしたいです。やはり、小説の持つ人を遠くへ連れて行く力は魅力的ですから。

2月の推薦本は当然『猫の一年』『雪の練習生』『月と蟹』。『雪の練習生』は語り手に特徴がある小説なのですが、とても読みやすい。動物好きは必読です。

3月もどんどん読みますよ!
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2011年02月08日

2011年1月読書記録

2011年1月の読書記録。

恩田陸『土曜日は灰色の馬』
霧舎巧『新・新本格もどき』
詠坂雄二『乾いた死体は蛆も湧かない』
道尾秀介『球体の蛇』
有栖川有栖『闇の喇叭』
桐野夏生『ナニカアル』
アンドレ・バーナード『まことに残念ですが…不朽の名作への「不採用通知」160選』
角田光代・松尾たいこ『なくしたものたちの国』
山田詠美『タイニーストーリーズ』
岡野宏文×豊崎由美『読まずに小説書けますか』
アガサ・クリスティー『ビッグ4』
アガサ・クリスティー『青列車の秘密』
アガサ・クリスティー『七つの時計』
『ミステリ★オールスターズ』
石崎幸二『記録の中の殺人』

しめて15冊。やはり読書の時間があまりとれなかったからですかね…。

特に面白かったのはおくればせながらの『球体の蛇』、絵と文章の織り成す空気感が素晴らしい『なくしたものたちの国』。どちらも強くオススメです。あと、読み巧者を自称する方は『読まずに小説書けますか』もぜひ。視野が広がります。
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2011年01月13日

2010年小説ベスト1

2010年に私が読んだ本の中から、ベスト1を選ぼう、と思います
(そういう企画重視のブログへ移ったほうが私が楽だという…)。

国内作品と海外作品それぞれで数冊ずつ挙げますね。
基準は、「すべての人に読んでほしい、そしてこの本を推薦した私を賞賛してほしい」と思える本(苦笑)。

国内編はベスト5。
1位 柴崎友香『寝ても覚めても』
2位 角田光代『ひそやかな花園』
3位 朝倉かすみ『感応連鎖』
4位 森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』
5位 朝吹真理子『流跡』

ミステリは入りませんでしたね(苦笑)。
でもこの次あたりに京極夏彦『死ねばいいのに』が来ます。
ま、これもミステリじゃないんだが。

海外編は…すみません、読書数が少ないもんで、2つしか挙がりませんでした。
1位 『変愛小説集2』
2位 ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』

っていうか岸本佐知子さんが1位受賞ってことじゃん(苦笑)。

ということで、2011年も読みまくりますので、よろしくお願いいたします!
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2010年読書記録

ご無沙汰しております。
バタバタしてしまってブログアップが追いついていません。
そして、その間にも読書は継続しております。
ので、読んだ本の記録だけ残すことにしました。
それ以外の情報をお求めの方、いらっしゃいましたら申し訳ないです。

ということで、2010年に読んだ本、残りを列挙!

玉村豊男『世界の野菜を旅する』
キャスリーン・グレゴリー・クライン『女探偵大研究』
深水黎一郎『ジークフリートの剣』
アガサ・クリスティー『ゴルフ場殺人事件』
角田光代『ひそやかな花園』
アガサ・クリスティー『茶色の服の男』
京極夏彦『死ねばいいのに』
倉知淳『こめぐら』
七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』
河出書房新社世界文学全集1-06『暗夜/戦争の悲しみ』
山本貴光『コンピュータのひみつ』
E.M.フォースター『ハワーズ・エンド』河出書房新社世界文学全集1-07
アガサ・クリスティー『チムニーズ館の秘密』
ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』
西澤保彦『幻視時代』
麻耶雄嵩『隻眼の少女』
倉知淳『なぎなた』
俵万智×一青窈『短歌の作り方、教えてください』
朝倉かすみ『夏目家順路』
齋藤智裕『KAGEROU』
西澤保彦『こぼれおちる刻の汀』
朝吹真理子『流跡』
池上永一『トロイメライ』
デイヴィッド・ロッジ『ベイツ教授の受難』
ジェイン・オースティン&セス・グレアム・スミス『高慢と偏見とゾンビ』
乾くるみ『セカンド・ラブ』

ここまでが2010年で読んだ本です。

う〜ん、ブログを更新しない間にも結構読んでますね。そしてセレクトが非常にミーハー。
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2010年11月14日

『三匹のおっさん』

有川浩さんの『三匹のおっさん』を読む。

定年を過ぎてヒマを持て余している三人のおじさんが結成した自警団が活躍するコメディタッチの小説。この三人がキャラが立っていてしかもいいやつで、周りの登場人物もみんな面白い。おじさんたちと一緒に笑い、一緒に怒りながら読み進めていくうちに心の奥底をぐっと掴まれるような表現に何度も出会って、不覚にもぐっときてしまった。有川さんの本、あまり読んでこなかったけれども、これはちゃんと読んだ方がよいかも。

久しぶりに、あまり詳しくない作家の作品で本当によいと思えるものに出会えました。これだから乱読はやめられない。オススメです。
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『終の住処』

磯崎憲一郎さんの『終の住処』を読む。

第141回芥川賞受賞作です。著者の経歴やイケメン度からずいぶんと話題になりましたが、僕はずいぶんと騒ぎを過ぎてから読むことにしました。夫婦の間の不条理を奇妙な味の小説に仕上げた磯崎さん、確かに独創的な作家だなあ。風貌に比べて、作風はずっと俗世間離れしている。他の作品も読んでみたいです。
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『絡新婦の理』

京極夏彦さんの『絡新婦の理』を読む。

目潰し魔、絞殺魔、女子高にはびこる売春、それすべての事件の中心にいる蜘蛛とは誰か。自己増殖し続ける破壊のシステムを統べる悪魔的な知性をもった女に京極堂が肉薄していく、大変構えの大きなミステリです。

再読して思ったのは、社会構築主義、フェミニズム、クィア理論、社会システム論の全てが京極流に翻案されてこの小説の中に注ぎ込まれているのだなあ、ということ。そういう意味では、百鬼夜行シリーズ中もっとも僕好みの作品だと思いました。なんというか、隅々まで僕には得心がいく、という感覚。大好きな作品ですので、みなさまにもぜひ読んで頂きたいです。オススメ。

これで百鬼夜行シリーズ再読プロジェクトが無事完結。『鵺の碑』はまだですか?首を長くして待っておりますよ、京極さん。
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『ノン+フィクション』

古川日出男さんの『ノン+フィクション』を読む。

古川さん自身の言葉によれば「旅行記であり短編集」。普通に考えればエッセイ集なのですが、そもそも古川さんの書くエッセイはエッセイではないので、限りなくフィクショナルな、あるいはこういってよければ小説的な本に仕上がっています。戯曲も含まれていますしね。

素晴らしいなと思ったのは、ハワイのギター奏者マカナについて書かれた文章と、舞踏家の黒田育世さんについて書かれた文章。音楽や舞踏についての古川さんの文章は、はちきれんばかりに奔放で自由で先鋭的なんですよね。これぞ古川さんの真骨頂。読んでいるだけでワクワクします。

ああ、いい本を読みました。次の古川さんの小説が楽しみ。
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『スタイルズ荘の怪事件』

アガサ・クリスティー著、田村隆一訳の『スタイルズ荘の怪事件』を読む。

クリスティのデビュー作であり、記念すべきポワロの初登場作。ばらまかれた手がかりを拾い集めて一筋の美しい真相を導き出す、ポワロの灰色の脳細胞が大活躍します。奇怪で意味不明な毒殺事件がはらはらとその仮初の衣を脱ぎ落とし、実にシンプルな深層が見えてくる構成に感銘を受けました。デビュー作ということで、ポワロの亡命のエピソードやヘイスティングスの傷痍軍人としてのエピソードがふんだんに語られるのも興味深い。クリスティの魅力にどっぷりはまりました。オススメ。

これからクリスティ全作品読破プロジェクトをスタートします。ゆっくり着実に、楽しませていただきますよ。
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2010年10月31日

『13日間で「名文」を書けるようになる方法』

高橋源一郎さんの『13日間で「名文」を書けるようになる方法』を読む。

高橋さんの明治学院大学での授業をもとにした、文章読本。授業の形式になっているので、高橋先生のゼミに参加しているつもりで気軽に読めます。

ただし、この本に書かれているのは名文をうまく書くコツではありません。むしろ、「名文」と呼ばれるものの内実を取り替えてしまうことによって、学生を「名文」家に変えてしまう、トリッキーな企みが描かれています。ただ、このトリッキーさが「文学」の王道でもあるんですよね、実は。文章読本らしからぬ文章読本、堪能しました。
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『道徳という名の少年』

桜庭一樹さんの『道徳という名の少年』を読む。


非常に幻想的な小説です。本の装丁が装飾的で、文章自体の分量が少なめ。お伽話のようにパッケージされた小説ですが、中身はお伽話というにはややビター。美しい女を登場させる冒頭は本当に桜庭さんらしいし、その後の展開も、美しくも苦々しい雰囲気を保ちつつ進むところが桜庭さんらしい。

次はもっと長いおはなし、あるいは短編集なんかも読んでみたいですね。
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『オープン・セサミ』

久保寺健彦さんの『オープン・セサミ』を読む。

人生にはままならないことがたくさんあるけれども、時に目の前がすっと開けて、困難のその先へ進めることがある。久保寺さんは「オープン・セサミ」という魔法の呪文を小説の主人公たちにかけることで、彼ら彼女らをままならなさの一歩先の新しい経験へと心を込めて送り出します。

さまざまな年齢と性別の主人公が一歩先へと踏み出す短編集なのですが、僕が好きなのは「彼氏彼氏の事情」。腐女子受けしそうなテーマを、実に切なくてしかもさらっと書き切る久保寺さんの筆力に感嘆しました。

元気になりたい人、ぜひ読んでください。オススメ。
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『見えない復讐』

石持浅海さんの『見えない復讐』を読む。

大学に復讐を誓う大学院生たちと、それを利用しようとするベンチャー企業向け投資会社の社員。二つの復讐が重なり合うサスペンスです。

いつもの石持作品と同じく、どうして論理的に考えてその可能性が正解だと思えるのか?はわかりません。論理的にでもテイスト的にでもいいから、いくつかのもっとありそうな選択肢をきちんと消去して欲しい。あと、結末があまりに短絡的すぎやしないか、とも思いました。登場人物が合理的で冷静だから論理合戦は面白いのに、ねえ。なんだか石持作品と僕は相性がよくないみたい。

しかしそれ以上に気になるのは舞台設定。僕、こんな大学院は嫌です(苦笑)。
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『完全・犯罪』

小林泰三さんの『完全・犯罪』を読む。

奇想に満ちた短編集。僕が好きなのは表題作ですね。非常にめんどうな設定と見せかけた時間SFなのですが、ラストの一行の脱力感が非常に心地よい。頭のよい人が書いたからこういうオチで遊べるんだろうなあ。とても好きな作品です。

その他の作品も奇妙な読み心地にあふれた作品ばかり。教養ある芸の妙を楽しんでください。
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2010年10月28日

『フロム・ヘル(上)(下)』

アラン・ムーア/エディ・キャンベル『フロム・ヘル(上)(下)』を読む。

切り裂きジャック事件を題材にした、コミックノベルの最高傑作。この未解決事件に関する説得的な一つの仮説をもとに、アランが話をふくらませ、そしてエディがおぞましい絵でそれを表現する形でこの作品が出来上がったようです。

この仮説が非常に良くできていてそれだけでも面白いのですが、セリフと絵がこれまたすごい。絵と台詞で表現する、ということの意味をこれほど知りつくした二人はいないのではないでしょうか。特に圧巻は下巻の殺人と死体凌辱のシーン。白黒のページからこれほどの狂気を感じたことはありません。

怖いのが苦手な人、そもそもマンガが苦手な人などいろいろいると思いますが、この本は絶対に読んだ方がよいです。強く強く強くオススメ。それにしてもみすず書房と柳下毅一郎さん、いい仕事しすぎです。
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『寝ても覚めても』

柴崎友香さんの『寝ても覚めても』を読む。

消えた恋人とそっくりの人物があなたの目の前に現れたら、あなたはその人に恋をするでしょうか?この、綺麗事を答えようと思えばいくらでも応えられるようなテーマに、小説の形で決定的な答えを柴崎さんが与えてくれました。ただし、この回答、模範解答からは程遠いです。

しかし柴崎さんの文体はすごい。眼前に起こる事を淡々と描写するだけで、すごく小説になっている。小説を読むこととはストーリーを読むことだと思っている読者の人は、柴崎さんの小説は全く受け付けないかもしれません。でも、小説を読むことが描写を読むことだとわかっている人は、柴崎さんがいかに優れた書き手であるかがわかるはずです。今、自分の作り上げた小説に対してこれほど巧みシャッターを切れる小説家は他にいません。柴崎さん、恐るべし。

非常に強い印象を残すラストにも注目です。この小説を受け渡されてしまって、読者は平常心でいられるのか。ぜひ、打ちのめされてください。強く強くオススメです。
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『よそ見津々』

柴崎友香さんの『よそ見津々』を読む。

柴崎さんのエッセイ集。柴崎さんって、ある意味「冷たく」すらあるその作風とは違って、エッセイでは「若い女性らしい感性」を見せていて、それがとても意外。それが計算なのではと勘繰ってしまう僕は、柴崎さんの小説の毒にあてられすぎなのかな?ファッションや食に関する話も、楽しく読めたんだけど、裏読みせねばいけない気がしてしまった(苦笑)。
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『光待つ場所へ』

辻村深月さんの『光待つ場所へ』を読む。

自負があるということは、輝かしいことであると同時に非常に脆いことでもあって、辻村さんはこの脆さを描くのが非常にうまい。3つの小説からなるこの作品集では、この脆さが徹底的に描かれています。先に一言。辻村さんの他の作品とリンクしている作品も収録されていますが、全く気にせずに読めます。辻村さんの作品の中にはリンクがわからないと困る作品もありますが、今回は違います。

さて、僕が非常に気に入ったのは冒頭の「しあわせのこみち」。圧倒的な敗北感を味わった女性が、描くべき絵を見つける過程が、苦々しくも柔らかく、そして清々しい筆致で描かれています。登場人物の自意識を少しでも理解してしまったら、もう無傷では辻村さんの小説を読む事はできません。でも、そういう刺し違える覚悟でする読書って、豊かだと思いません?本気で取り組むに値する小説だと思います。オススメ、オススメ。
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2010年10月21日

『ペンギン・ハイウェイ』

森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』を読む。

森見さんと言えば、大学生男子を主人公にした、身もだえするような青春小説の書き手、というイメージがあると思うのですが、この小説の主人公は小学4年生。「おっぱい」ぐらいは出てきますが、とても清廉潔白な感じの小説です(苦笑)。

主人公の存在する町では、ペンギンが出現したり消えたりとう怪異現象が起こっています。主人公の少年は、さまざまな事象を自分なりに研究している非常にませた子。彼が研究をすすめ、「海」の謎に迫ります。

不可思議な現象が設定に取り込まれていますが、ミステリでもSFでもありません。ラスト付近、主人公よりも先に「謎」の正体に気付いた読者は、泣かずにはいられないと思います。ああもう、今思い出しながらうるうるしてしまった。これは森見登美彦の最高傑作ではないだろうか。強く、強く、強く、オススメいたします。
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『声出していこう』

朝倉かすみさんの『声出していこう』を読む。

通り魔事件の起こる町に生きるさまざまな人々の、けなげで切なくなるような生きざまを描いた連作短編集(むしろ長編小説かも)。読者をつかんで離さない、巧みな比喩をつかった心理描写に、小説の、そして朝倉さんの底力を感じさせてもらいました。また、各短篇感の関連のさせ方も、嫌みでない技巧が冴えわたっていて感嘆させられます。上手い作家って本当にうまいんですよ、みなさん。

そして一つどうしても言っておきたいのが、どの短篇でも中心人物にはならないが登場する理容室の共同経営者の二人。こういう人物造型、好き。後半なんかこの二人が出てくるだけで泣いちゃう(笑)。朝倉さん、ずるい、ずるすぎる。

強く、強く、強くオススメ。
posted by △ at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | もじにいりびたる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする